○作品概要説明。
主要人物2人。ト書き含めて約6000字。本妻の自宅へ招かれた愛人の恐怖体験。或いは、ひとりの男を愛しぬいた女のトゥルーエンド。
○登場人物
小夜子:辰巳の妻。美人で気が強い。元社長令嬢。
愛実:辰巳の愛人。
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作者:七枝
本文
○本文ここから。小夜子宅にて。
愛実:失礼します。
小夜子:よくきたわね。あがりなさい。
愛実:はい。あ、あの、これ……
小夜子:なにかしら。
愛実:カステラです。辰巳さんから甘いものがお好きだと伺ったので。
小夜子:あら。お行儀のよいこと。
愛実:いえ。……よかったら、どうぞ。
小夜子:いらないわ。
愛実:え。
小夜子:そんな汚いものいらないわ。持ち帰って頂戴。
愛実:汚いってこれは(さっき買ったもので)
小夜子:(かぶせて)貴方の手垢がついたでしょう?汚いわ。
愛実:……っ!失礼しますっ!
小夜子:(わらう)こっちよ。ああ、そこで座ってて。今お茶をもってくるわ。
愛実:いりません!
小夜子:そう。では遠慮なく。私だけいただくわね。
愛実:…………
小夜子:…………
愛実:…………それで、今日はなぜ私を呼んだのですか。
小夜子:前置きもなしに本題とは。本当にお行儀がよろしいこと。
愛実:お、奥様には悪いことをしたと思ってます!でもわたしと辰巳さんは愛し合ってて!
小夜子:…………
愛実:辰巳さんも奥様のことは飽き飽きしてるって!だから!!
小夜子:…………だから?
愛実:だから、その……
小夜子:…………
愛実:えっと、だから、
小夜子:言えないわよねぇ。人の家庭ぶち壊しておいて「別れてください」だなんて。
愛実:(言葉につまる)
小夜子:よかったわ、貴方にもひとかけらの常識があって。呼びつけておいてなんだけど、堂々と本妻の自宅に来るような小娘ですもの。どんなはねっかえりが来るかと思ったけれど、わきまえているところもあるのね。
愛実:……っ!!やっぱり、辰巳さんのいう通りですね!
小夜子:なにが?
愛実:辰巳さん言ってました!「僕の妻は美人で弁も立つけど、人の心がわからない」って!「いつも澄ましてつんとしてて、まるで氷でも抱いているようだった」って!
小夜子:ふふふ。なぁにそれ。ベッドの中で教えてもらったの?
愛実:そ、そうですよ!
小夜子:そう。じゃぁきっとこうも言ったでしょうね。「無知で愚かな若い女を抱いていると、優越感にひたれて気分がいい」って。
愛実:そんなこと言ってません!
小夜子:あら、それくらいの分別はあの人にもあったのね。
愛実:辰巳さんを馬鹿にしないでください!あの人は素晴らしい人です!
小夜子:そう?
愛実:辰巳さんは優秀な方なんです。社内でもトップの成績を修めてて、でもそれにおごらずいつも新たなアプローチを模索してる。それだけじゃないんです。チームの為に身を粉にして働く方なんです!
小夜子:ふうん。
愛実:私みたいな落ちこぼれにも優しくしてくれて、気にかけてくれる……この間だって就業後に2時間も相談にのってくれたんです。あんないい人、ほかにいない!
小夜子:(噴き出して笑う)
愛実:な、なにがおかしいんですか。
小夜子:いいえ。何をいうかと思ったら、居酒屋で女を口説いてるだけで「やさしい人」ときたものだから。最近の子って貴方みたいな子ばかりなの?これで婚姻率が低下してるなんて信じられないわ。
愛実:そうやって馬鹿にして!
小夜子:では、その後ホテルにはいかなかったとでも?
愛実:ちがっ、あの時はたまたま雨がふってて!
小夜子:雨がふってて、ねぇ。かわいい言い訳だこと。
愛実:~~っ!
小夜子:随分安い手にひっかかったわね、尻軽。
愛実:わ、私のことをどう言ったっていい!でも辰巳さんのこと、悪く言わないでください!
小夜子:へぇ?貴方があの人の何を知っているというの?妻の私より詳しいことがあって?
愛実:あ、あります!
小夜子:たとえば?
愛実:例えば……そう!会社での辰巳さんとか!
小夜子:(鼻でわらう)
愛実:さっきも言いましたけど、辰巳さんは本当に優秀な方なんです。部長にもよくほめられてて、あ、そうだ!先月の成績は年間1位だったんですよ。大口の取引先を発掘されてきて。私も同行しましたが、すごかったです。堂々としてて、頼もしくて。でもどんな時もユーモアを忘れない。気難しい社長さんだって、辰巳さんと話していると笑顔になっちゃうんです。すごいですよね。あの人だからできることです。
小夜子:そう。
愛実:……興味、なさそうですね。
小夜子:ないわ。だってそんなあの人の外面を聞かされてどうしろというの?あの人は昔から人に取り入るのが上手かったわ。得意なのね、他人の機嫌をとるのが。
愛実:そんな言い方っ!……つくづく、嫌味ったらしい人ですね。
小夜子:言うじゃない。
愛実:謝りませんよ。
小夜子:かまわないわ。私はね、貴方の本音が知りたいの。貴方がどれほどあの人を愛しているか。貴方はその愛にどれほど殉ずることができるか。私が知りたいのはそこだもの。
愛実:じゅん、ずる…?
小夜子:貴方が自身の「愛」のために何ができるか、ということよ。おばかさん。
愛実:な、なんだってできます!
小夜子:へぇ?
愛実:身体だって心だって!彼はそんなこと一言もいわないけど、なんならお金だって用意できます!辰巳さんは私に優しくしてくれた、寄り添ってくれた!そんな彼だからこそ私も彼にお返しがしたい。彼の為ならなんだってできます!
小夜子:意地悪な本妻に苛められる健気な2番目の女にだってなれる、って?
愛実:ええ、そうですよ。
小夜子:ははは、それなら大人しく身をひいてあげるのが一番じゃないの?不倫だなんてゴシップ、貴方の語る「素晴らしい辰巳さん」の汚点になるのではないかしら?
愛実:そ、それはっ!貴方に言われる筋合いないです!
小夜子:私は妻よ?
愛実:私の「愛」は辰巳さんのものです!貴方じゃない!
小夜子:世間がなんていうかしら。
愛実:世間なんて関係ない!世の中のルールなんてしりません。私は辰巳さんを愛してる!辰巳さんもその愛を受け取ってくれると言いました!
小夜子:学生じゃあるまいし。随分幼稚なのね。
愛実:何とでも言ってください。この気持ちだけは、誰にも負けません。もちろん奥様にも。
小夜子:ふうん。
愛実:………
小夜子:でも貴方には手に入らない。どれだけ辰巳を愛していても、貴方は辰巳と一緒になることができない。だって彼は私と結婚しているから。かわいそうにね。いつか彼に飽きられて捨てられたら貴方はどうなるのかしら?若い貴重な時間を無駄にした後悔を、貴方は背負いきれるかしら?
愛実:………っ!
小夜子:諦めなさい。絶対に後悔するわ。予言してあげる。そのままじゃ、貴方に残されるものは何もないわ。
愛実:……いやです。
小夜子:…………
愛実:いやです。別れません。貴方がなんて言おうと、辰巳さんが嫌というまで私は別れません。
小夜子:訴えてもいいのよ。
愛実:そしたら捨てられるのは貴方のほうだ、奥様。
小夜子:…………
愛実:辰巳さんは優しい人です。素晴らしい人です。でも、冷徹(れいてつ)な人でもある。あの人が若くて可愛い私と、年増で嫌味ったらしい貴方を天秤にかけて貴方をとっているのは、貴方が私より愛されてるからじゃない。たんにその方が、都合がいいからです。不倫して若い女に乗り換えるなんて人聞きが悪いですもんね。わかってます、大丈夫です、私。ちゃんと理解できてます。辰巳さんは奥様と別れない。でも、それはいつまでもそうじゃない。でしょう?
小夜子:…………
愛実:ねぇ、奥様。奥様は辰巳さんの為に何ができるんですか?そうやって家で彼の帰りを待って、嫌味をいうだけですか?なら選ばれるわけないですよ。辰巳さんはさみしがり屋な人だもの。かわいそうな辰巳さん。でも安心して下さい。彼は私が癒してあげますから。私は彼に尽くすことができます。貴方よりもずっと。
小夜子:っふ。ふふふふふ
愛実:お、奥様?
小夜子:はははははは!尽くす!なるほど。尽くすのね。それが貴方の「愛」なのね!
愛実:そ、そうです!辰巳さんもじきにわかってくれます!私の愛の大きさが!そのときに縋りついたって遅いのですよ、奥様!
小夜子:すがりつく?ふふふ、お前は本当に面白いことをいうのね、小娘。
愛実:なっ
小夜子:いい?良く聞きなさい。私たちのこの家はね、私の父の持ち物なの。
愛実:し、しってます。
小夜子:辰巳が言ってた?
愛実:はい。
小夜子:では聞いたわね。辰巳は父の命令で私と結婚したの。15年前。父の会社で行われた忘年会のパーティー。私はそこで辰巳と出会った。一目で確信したわ、彼は私のものだって。一緒になる運命だって。
愛実:辰巳さんはそうは思わなかったようですけど。
小夜子:あら、その日のうちに私に手をだしてきたのは彼の方よ。
愛実:—っ!それ、は、社長に近づくための手段でしょう!?
小夜子:そうよ。そうでしょうね。でも男性にとって私は魅力的な容姿をしているわ。わかるでしょう?
愛実:わ、私の方が若いですし!
小夜子:では貴方が年をとったら悲惨なことになりそうね。
愛実:た、辰巳さんは私の穏やかなところに癒されるって言ってくれました!
小夜子:ほかに褒めるところがなかったのね。かわいそうに。
愛実:~~っ!
小夜子:出会って1週間で付き合いはじめて、3ヶ月で結婚。夢のようだったわ。今でも忘れらない。辰巳は言ったのよ。「君は僕の為にたくさんのものを与えてくれた。だからその分だけ僕の愛を捧げよう」って。だから、私はその後も沢山のものを彼に与えたわ。人脈も財産も会社の立場も。ゆくゆくは父の会社も継ぐはずだった。
愛実:……しってます。
小夜子:言うならば私は金で辰巳を買ったのよ。そんな私が辰巳に尽くす?彼を癒す?馬鹿言わないで。それをするのは辰巳であって私ではない。辰巳は私の所有物なのよ。
愛実:そんなの愛じゃない!辰巳さんはモノじゃない!
小夜子:愛よ。私が結婚したいといい、彼は対価を受け取った。
愛実:お金目当ての結婚じゃない!
小夜子:そうね。それの何が悪いの?
愛実:奥様、貴方は本当に辰巳さんを愛しているんですか?
小夜子:………
愛実:貴方の言葉からは全く辰巳さんへの愛を感じられない。お父さんにお願いして、地位も名誉もお金も辰巳さんの為に用意して、それで貴方は満足ですか?結婚したらそれでおしまいなんですか?
小夜子:……っ!
愛実:貴方がほしかった辰巳さんとの結婚生活ってこういうものだったんですか?
0:小夜子、激昂した様子で立ち上がり、持っていたお茶を愛実にぶっかける。
愛実:ひゃっ!
小夜子:うるさい、この泥棒猫!私だって……っ!私だってこんなつもりじゃっ……!
一拍おいて。小夜子、冷静になる。
小夜子:…………ごめんなさい、手がすべったわ。
愛実:……いえ。
長めの間。
愛実:わたし、かえります。
小夜子:お茶をかぶったままで?風邪をひくわよ。
愛実:貴方がかけたんでしょう。
小夜子:手がすべったの。
愛実:しらじらしい。
小夜子:着替えを貸すわ。シャワー浴びていきなさいな。
愛実:いいんですか?汚らしいのでしょう、私。
小夜子:単なる嫌味よ。蒸し返すなんてホント子どもっぽいのね。
愛実:……自分でも、そう思いますから。
小夜子:…………
愛実:家庭のある人を好きになって、泥沼にはまって、相手の家まで来て。……ばかみたい。
小夜子:……そうね。
愛実:かえります。
小夜子:いいから。貴方車じゃないんでしょう?こんな晴天の日にずぶぬれで帰るワケあり女になりたいの?
愛実:…………
小夜子:ほら、駄々をこねてないで行きなさい。
○Mはモノローグ。
愛実:(M)奥様に背を押され、しぶしぶランドリールームに足を運んだ。いったいこんなとこで私は何をしているんだろう。酷い言葉を言われるとわかってて、不倫相手の奥さんに会いにいって、手土産はつっかえされ、案の定めちゃくちゃに傷つけられるどころかお茶までかけられて。私は何を期待してここまできたんだろう。
愛実:(M)これ以上ひどいことにならないうちに、言われた通りシャワーだけ浴びてさっさと帰ろう。
愛実:(M)そう思い、衣類をぬいで広い浴場のドアを開ける。そして、何気なく浴槽に目を落とした先に——……辰巳さんが、いた。
愛実:たつ、み、さん……?
愛実:(M)真っ赤な、真っ赤なお湯の中に、恋焦がれた人の肉体がだらりと浮かんでいる。触れてみると水の温度も肉体も氷のように冷たく、その目は、目は………
愛実:ひぃいやああああああああ!!たつみさん、たつみさん!!
小夜子:つめたいでしょう?
愛実:いやぁ、う、うそよ!きゅ、救急車よんで、救急車をっ
小夜子:無駄よ。死んで何時間経ってると思ってるの。
愛実:しっ!?いやよそんなうそだといって!いやあああ、たつみさんたつみさん!
小夜子:ふふふ。
愛実:あ、あんた、あんたが殺したの!辰巳さんを殺したの!?
小夜子:そうよ。
愛実:どうして……?どうして!
小夜子:どうして……?なぜそんなことを聞くの。理由なんて一つよ。彼は私を裏切った。
愛実:だからってこんな……っ!なんてひどいっ
小夜子:ひどいのは辰巳よ。私の愛を受け取りながら、同じ愛を返してくれなかった。歩み寄る努力さえ、最近の彼は怠った。当然の報いだわ。
愛実:ああ、たつみさんたつみさん!!ゆるさない……!あんたを絶対にゆるさないわ!
小夜子:そう。ではどうするの?
愛実:警察に通報するわ!みんなの前で罪を暴いてやる!
小夜子:それで貴方は?
愛実:わたし……?私がなんだっていうの!
小夜子:辰巳が殺されて。私を告発して。貴方はそれでどうするのかしら。その後の貴方に、何が残されているというのかしら。
愛実:(ひきつったうめき声)
小夜子:言ったでしょう?「予言してあげる」って。相手にあげるばかりの愛など下らないわ。結局自分の手元には何も残らない。もしここで私を通報したとして、貴方に残されたのは「殺された夫の不倫相手」という肩書きだけ。だれも同情してくれないし、誰も助けてくれないわ。貴方はひとりぼっち。貴方の「愛」もただのゴミ。
愛実:ゆるさない…!あんたを絶対にゆるさない……っ!
小夜子:さっきからそれしか言えないのかしら。
○小夜子、ため息をついて右手を掲げる。その手にはナイフが握られている。
小夜子:ねぇ、貴方いますごく無防備よ。わかってる?
愛実:(息をのむ)
小夜子:貴方をここに呼ぶ前に、私にはいくつかの選択肢があったわ。ひとつ、父を呼んでなんとかしてもらう。ふたつ、大人しく自首する。みっつ、自分で証拠隠滅を図る。
愛実:………
小夜子:でも私はどの選択肢も選ばず、貴方をここへ呼んだ。何故だかわかる?
愛実:…………
小夜子:何故かわかる?と、私が聞いているわ!
愛実:ひっ
小夜子:………(愛実の回答を待っている)
愛実:なぜ……なぜ私を呼んだか……?わからないよ、そんなの!なぜかなんてわからない!私を苦しめたかったから?私を、こ、殺したかったから?
小夜子:(ためいき)そんなのどうでもいいわ。あなた個人なんてどうでもいい。これが、私の「愛」だからよ。
愛実:あい……?
小夜子:そうよ。私は辰巳を殺してしまった。辰巳と私の「愛」はここで終わってしまった。でも、貴方と辰巳の「愛」はまだ続いてる。そうでしょう?
愛実:は、はぁ?なにいって……
小夜子:ならば、ひとり寂しく土の下に埋めるより。父の部下たちにバラバラに処理されるより。愛した女と共にいた方が辰巳も喜ぶんじゃないかしら。そう思ったのよ。わかるでしょう?
愛実:………わけが、わからない。
小夜子:(無視して)貴方は言ったわね。貴方の「愛」は尽くす愛だと。世間なんてどうでもいいと。私もそう思うわ。「愛」の形に世間も世の中のルールも関係ない。だって二人だけのものだもの。どんな形の愛であれ、二人だけがわかってればいいの。
愛実:なにを、なにを言いたいの……?私にどうしてほしいというの……?
小夜子:簡単な話よ。
愛実:(M)そういって、女はナイフをかかげた。それは眩く光を反射して、血だまりを不気味に照らしだす。
小夜子:貴方の、愛を示してほしいの。
愛実:なによ、それ……さっきから何がいいたいのよ……っ!いい加減にして!彼と一緒にここから出るわ!どいてよ!
小夜子:だめよ
愛実:どいてっ
小夜子:黙りなさいっ!このナイフがみえないの?!
愛実:…………っ!
一拍おいて。
小夜子:辰巳はね、わかってくれなかったわ。何度いっても何度引き留めても他の女の所へ通った。貴方だけじゃない。他の大勢のところへね。愛は二人だけのものなのに。私と彼は運命なのに。わかってくれなかった。次第に、私も理解していったわ。辰巳の「愛」は、私と違う形をしているのだとね。だって……そうでしょう?まさか彼が私を少しも愛してなかったなんて、そんなことないでしょう?
愛実:…………
小夜子:彼を理解したかった。でもできなかった。結局、ここへひとり取り残された。私は辰巳と一緒にいれないわ。私達の愛は終わってしまった。理解しているの。だから、
愛実:だから……?だから何よ。何をする気なのよっ
小夜子:これは辰巳への最後の手向け(たむけ)よ。そして、私から貴方に送る降伏宣言。
愛実:は……?
小夜子:辰巳に最後に愛された貴方に、二つの選択肢をあげるわ。ひとつ、貴方は自身の愛に殉じて、辰巳と一緒にここで死ぬ。ふたつ、これまでどおり辰巳に愛を捧げて、彼の死体と共にここで暮らす。どちらでも好きな方を選んでいい。
愛実:な、なによそれ!そんなの選べるわけがないっ……!
小夜子:どうして?
愛実:(M)にたりといびつな笑みを作って、女はこう、尋ねてきた。
小夜子:愛のために、なんだってできるのでしょう?
終了。
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